Ⅳ.ラッピングバス広告自主審査基準

バス会社名等の識別性の確保

ラッピングバスは、車体前面への広告表示が禁止されているため、前方からのバス会社名等の識別性については、それほど問題ありません。しかし、横方向と後方からの識別性については、大きな問題があります。側面と後部面は広告の表示面であるため、バス事業社名等を表示することは多かれ少なかれデザインに影響を及ぼしますが、識別性については広告デザインよりもバス本来の機能を優先させるべきです。
バス会社名等の識別性確保の対策については、現在、ボディ後部面に、切り抜き文字で会社名等の表示を行っている例がありますが、広告面に紛れてしまうためあまり効果的ではありません。また、後部ガラス面の内側から表示している例もありますが、ガラス自体の色と反射が認識の妨げとなり、これもあまり効果的ではありません。ガラス外側に表示することは東京都屋外広告物条例施行規則で禁止されています。
このバス会社名等の識別性については、東京都屋外広告物条例の許可基準において車体両側面及び後部面への会社名等の表示など必要最低限の基準がありますが、各事業者においてはそれぞれの実情に応じ、よりきめ細かい配慮が必要です。下に示す例では、識別性を高めるために条例の許可基準にはない各側面の複数箇所での事業者名の表示をしていますが、これはあくまで一例にすぎず、バスの形状等によっては他の方法もあり得ます。また、小型バスなどの場合には車体の特徴を踏まえた応用が必要です。下の例では示していませんが、車椅子使用者など視点が低い利用者への配慮も必要です。
避けなければならないデザイン例
避けなければならないデザイン例

※このバスは実際に走行しているものではありません。

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