ラッピングバス広告 自主審査基準

デザインに関する基準「色彩」

色彩の表し方

日常、色彩を表現するときは「赤」などの色名を用いる場合が多いが、正確には色彩を表現するためには、客観的な尺度が必要である。日本工業規格(JIS Z 8120)で採用されている「マンセル表色系」では、色相・明度・彩度の3つの属性から色彩を表現しており、本基準でもこれらの属性を用いることとする。
色相 ・・・・・・ 青・赤・黄などの色味の違い
明度 ・・・・・・ 色彩の明るさの度合い
彩度 ・・・・・・ 色彩の鮮やかさの度合い
色相 ・・・ 青・赤・黄などの色味の違い
明度 ・・・ 色彩の明るさの度合い
彩度 ・・・ 色彩の鮮やかさの度合い
以下にこの3つの属性を用いた「マンセル表色系」での色の表し方を簡単に説明する。
マンセル表色系について
マンセル表色系について

景観と色彩

a.彩度による影響(例 1、3)

色の三つの属性(色相・彩度・明度)のうち、彩度が高い色彩は景観に対して大きな影響を与える。高彩度色は人の目を引き付ける反面、周辺環境への影響が大きなものとなる。大きな広告面積が認められているラッピングバスについては、高彩度色の用い方について周囲の景観に対する配慮が必要となる。

b.色彩の面積効果(例 1、2)

色彩の印象は面積の大小によって大きく異なるものである。鮮やかな色彩は面積が大きくなるとより鮮やかに、暗い色彩は面積が大きくなるとより暗く感じられる。一般的に小さな面積より大きな面積の色彩の方が、その色彩の特徴が誇張される。

c.色数による影響(例 4、5)

色の数が増えることはそれだけ情報量が増えることになり、配色に高度なテクニックが求められる。特に高彩度色の場合は、性格の異なる色が主張し合うことになり景観の混乱を招く。

d.色の対比による効果(例 6、7)

色の組み合わせを工夫することにより、様々な印象を演出することができる。しかし、赤と緑など高彩度色同士の組み合わせは時として強すぎる対比効果を生じる場合がある。このことは色と色とがじかに接する部分で特に顕著である。

景観と色彩の例

「a.彩度による影響」 「b.色彩の面積効果」
例1
例1
高彩度色を広い面積で用いている例。視界に大きく現れるラッピングバスは、影響が大きく、駅前においても、周囲の街並みの色調から突出している。
例2
例2
高彩度色の面積を抑えているため、例1に比べて景観への影響が少ないものになっている。
例3
例3
使用する色の彩度を抑えているため、例1に比べて周囲の影響が少ないものになっている。
「c.色数による影響」
例4
例4
多数の色を用いている例。刺激が強く、騒々しい印象を与えるデザインとなっている。
例5
例5
青系で統一され、例4に比べてすっきりした良い印象を与えるデザインとなっている。
「d.色の対比による効果」
例6
例6
高彩度色同士の組み合わせにより、強烈な対比効果を生じている。
例7
例7
例6と同じ色を用いているが、色と色の距離をおくことにより、印象を和らげることができる。

基準

「図式」と「地色」

基準を説明するにあたり、広告に使用する色をわかりやすく分類する必要がある。そこで、広告面のうち、最も訴求したい商品名や商品写真、あるいは企業名等を「図」とし、それ以外の部分を「地」とし、それぞれに使用する色を「図色」「地色」とする。この2つの色を用いて以下に基準を説明する。

基準A 高彩度色を使用することは景観への影響が大きいため、以下のような工夫が必要である
  1. A-1 地色が高彩度色の場合に図色と地色を逆転させるなど、高彩度色の面積を抑える工夫をする。(例8)
  2. A-2 地色に高彩度色を用いる場合には、次のような手法を用いるなどにより景観への影響に配慮する。(例9-12参照)
    1. A-2-1 地色を同一あるいは類似の色相の範囲とし、図色は白などの無彩色とする。(例9)
    2. A-2-2 同一あるいは類似の色相を広告面全体の基調とし、それ以外の色はアクセント程度の小さな面積とする。(例10)
    3. A-2-3 色数を少なくするとともに、図色も含めた広告面全体をシンプルなデザインとする。(例11)
    4. A-2-4 有彩色同士の距離を置き、白などの無彩色を挟み込む。(例12)
基準B バス前面の色彩との関係に配慮する

広告面だけでなく車体全体のデザインに配慮し、バス前面の色との関係についてもできれば配慮したい。例えば、コーポレートカラーがバス前面の色と相性の良くない色である場合、広告の地色には使わないなどの工夫が望まれる。

色彩に関する基準とデザイン例

基準A 高彩度色を使用することは景観への影響が大きいため、以下のような工夫が必要である
A-1 地色が高彩度色の場合に図色と地色を逆転させるなど、高彩度色の面積を抑える工夫をする。
例8
例8
左の例では、赤が地色であり景観上問題のあるデザインとなっているが、右の例では、赤と白を逆転させることにより高彩度色の面積を抑えられ、景観への影響が軽減されている。
A-2 地色に高彩度色を用いる場合には、次のような手法を用いるなどにより、景観への影響に配慮する。
例9
例9
A-2-1
地色を同一あるいは類似の色相の範囲とし、図色は白などの無彩色とする。
例9では、地色を青系でまとめるとともに、「図」であるシンボルマーク、文字は無彩色の白としている。
例10
例10
A-2-2
同一あるいは類似の色相を広告面全体の基調とし、それ以外の色はアクセント程度の小さい面積とする。
例10では、泳ぐ人のシルエットとその背景が青系で統一され、青系以外の色を使用した文字やシンボルマーク、マスコットはアクセント程度の小さい面積に抑えている。
例11
例11
A-2-3
色数を少なくするとともに、図色も含めた広告面全体をシンプルなデザインとする。
例11では、基本的に有彩色は青と紫がかった赤の2色の配色とし、ごく小面積のカードの部分にその他の色を配している。同様に色数を抑えた配色としては、例えば下記のようなものが考えられる。
カラーサンプル
例12
例12
A-2-4
有彩色同士の距離を置き、白などの無彩色を挟み込む。
例12では、オレンジ色と緑色の間に白を挟み込むことにより、印象を和らげている。
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